ミラーボールのある生活

ほぼ更新してない

一番おいしい駅探し 2

おいしい駅探し第二弾。
前回やってみた後、「この間駒込作って食べてみました」と写真を見せたり由来を話したりしてみたところ、職場の方にはとても申し訳なさそうな顔で「難しいですね…」と言われた。
一番面白がって(理解を示して)くれたのはゼミ長だったのでやはりゼミの人は感覚が近いのだなと思った。
 

ルール

今回も前回と同じルールで料理していく。 
 
  1. 駅名を料理にして、そのおいしさを調べる
  2. 駅名はひらがなに開いてから料理にする
  3. 今回は「駅名」だけを料理にするので、その駅周辺の雰囲気とか名物とかは盛り込まない
  4. 食べられないようなものは作らない(食材はむだにしない)
 

ルールを確認したところで、早速今回の一駅目。 

赤坂

ひらがなに開くと「あかさか」。

漢字の時は気づきにくいけれど、「か」のサンドイッチができていることが特徴的だと思う。

あと、構成要素がすべてア段になっている。

できた料理はこちら。

 

 

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崩れそうなボリューム感
 
「あかさか」の「かさか」の響きから、かさかさしていそうな料理だと思った。
 かつ、「かさか」からは何かが積み重なっているような印象を受ける。「かさ」が「重ねる」に近いからかもしれないし、サンドイッチ構造になっているからかもしれない。
ということで、パイ生地を使ったミルフィーユを作った。本来のミルフィーユはもっと繊細に重なり合っていたりするんだろうと思うけれど、冷凍パイシートを使ったのであまり積み重ねられなかった。一応冷凍パイシートが膨らみすぎないように重石を置いていたのだけれど、その重みを上回る膨張力を発揮されてしまい厚みが出てしまったのだ。
そして、頭の「あ」。あいうえおの最初の音。赤ちゃんでも発せられる音。とてもメジャーな響きがある。しかも「あかさか」は全てがア段だ。ということは、あまりひねらず、万人受けするような味付けやデコレーションがいいだろうと思った。なので、みんな大好きなイチゴをはじめとしたベリーミックスとホイップクリームで飾ってみた。
 
味はというと、麹町の時と同じく予想通りにおいしいという感じ。クリームとフルーツとパイだからまずくなる理由がない。
ただ、パイは確かにかさかさした感じになっているのだけど、膨張力が強かったせいなのか、空気を含んでやや柔らかめの食感になってしまった。
そしてミルフィーユと呼ぶにはやはり少し層が足りないような気がした。今回重石が重石の役目を果たしていないことに気づいて鉄板を上に乗せてみたら少し膨張が収まったので、最初からそうしていればもう少し薄めのパイが焼きあがるかもしれない。なので、今後「あかさか」を作る時はもちろん、「あかさかさかす」を作りたい時には絶対にこの方法をとって層の数を増やさなければと思う。
 
続いては個人的に一番利用率の高いこの駅。
 

新宿

 
「宿」なんて食べられなさそうな漢字だが、ひらがなの「しんじゅく」に直してみるともうおいしそう。
なんとなく先が見えてしまったと思うけれどこんな料理になった。
 

f:id:onikuy:20160723125124j:imageおしゃれな見た目

 

f:id:onikuy:20160723125129j:imageほら、しんじゅくって感じ

 
特徴的なのは「じゅく」。
「しん◯◯」は新橋やら新馬場やら色々あるけれど、「じゅく」がつく駅名はぱっと思いつくのが新宿と原宿しかない。「じゅく」は特徴的な要素と言えるだろう。
「じゅく」は水っぽい音だと思う。半熟卵、完熟のフルーツ、など連想すると分かりやすいが、どれも潤っていそうな感じがする。
なので何かに漬け込んだ料理にしようと思って、ラム酒を入れたシロップをバゲットにたっぷり染み込ませてサバランを作った。
ここで原宿との差別化に繋がる要素が「しん」。「しん」という部分からは大人っぽさを感じた。「芯」「辛」といった自立したり苦労したりしていそうな感じに変換できるということもあるし、「しんとした」などと言うように物静かで落ち着いたイメージもある。
そこで上にはピンクグレープフルーツとオレンジを乗せた。甘すぎず、ほろ苦い柑橘類の味が大人っぽさを演出してくれるだろう。
 
味の方だが、これは期待よりもおいしくできなかった。
原因は多分、シロップのラム酒の量が少なかったことと、土台のバゲットの塩味が思ったより強かったこと。ラム酒の量が増えていればそれも「しん」の大人っぽさを補強する材料になっていたと思うし、バゲットをわざわざ選んだ理由というのも特になかったのでここをどうにかできなかったのは悔しい限りだ。
ただ、メインの「じゅく」の辺りは、画像の二枚目を見ても分かるようにちゃんと盛り込むことができたので満足している。
 
本日最後の駅はこちら。
 
四ツ谷

地名では「四谷」、駅名では「四ツ谷」らしい。非常に紛らわしい。

ひらがなにしてみると「よつや」。
漢字の時は気づかなかったけれど、よつや、すごい。色っぽい。
ということでこんな料理になった。

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焦げたわけではない

f:id:onikuy:20160723125144j:image
中はこんな感じ

 
さっき書いた通り、「よつや」は色っぽい。
まず「よ」。ものすごく偏ったイメージだとは思うのだけど、「よ」は芸者さん芸妓さんのような高貴な色っぽさを持っている気がする。お名前に「千代」とか「絹代」とか「よ」が入っているイメージがあるからだろうか。
また、「よよと泣き崩れる」のような表現に使われているところもやはり色っぽい。
そしてひらがなにすると「四」ではなく「夜」にイメージが行く。
困ったことに、今回その後に続くのが「つや」だ。「よ」に「つや」なんて大人っぽさと色っぽさがインフレを起こしすぎている。
「つや」は安直だがやはり「艶」を連想させる。なので光沢のある料理にしたい。かつ、「通夜」という物悲しく暗い方にも連想できるので、今回のコンセプトは「色っぽく光沢があり、夜の暗さを持つ料理」にした。
そこから生まれたのがこの「よつや」である。コーヒーを染み込ませてしっとり大人っぽく味付けした生地にクリームを重ね、その上にはつやつやしたグラサージュをかけている。グラサージュにはチョコレートではなく純ココアを使ったのでより黒く、そしてほろ苦いものに出来上がった。
 
この「よつや」が個人的には大当たりだった。
写真を撮る段階でもつやつやしておいしそうだったのだが、スプーンを入れてみるとしっとりした生地とクリームの層にグラサージュがたらりと流れてきて最高にフォトジェニック。
そしてココアとコーヒーの相性が抜群。グラサージュには砂糖を多く使っているので甘いのだがチョコレートを使わないことで脂肪分を抑えたので、味から予想するよりもすっきりした口当たりになっている。
生地は焼いたのではなく、鈴カステラを砕いてコーヒーを染み込ませた簡易スポンジなのだが、あえて鈴カステラを使うことでちょっと和風な味わいや食感になったと思う。
 
今回の3駅はスイーツになった。
赤坂も新宿も四ツ谷も、そこまでスイーツの街という印象はなかったのに、ひらがなにして料理にするとこんな風になってしまう。とても面白い。
 
次はどこの駅を食べよう。