ミラーボールのある生活

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サマータイムマシンブルースが面白かったこと

早稲田のミュージカルサークルSeirenの公演「サマータイムマシンブルース」を観に行って感動したことの覚え書き(覚え書きをする理由は「アンケートを書く時間が少なすぎて書ききれなかったから」)。

 
*以下ネタバレ含
 
○甲本
・甲本さん役の役者さんは早稲田祭ステージの神父さん役でしか見たことがなくて、それがはまりすぎてて今回も勝手におっとりした感じのキャラなのかなと思っていた。けどツッコミの勢いが神すぎた(特に、名前じゃないよ!!とか田村くんまで来ちゃった時の反応とかうるさい!!!って叫ぶとことかが好き) 
・バカ組が時間の流れを変えそうになった時の焦り方がすごくリアル
・序盤の冷蔵庫の件ではバカ側だったのが一転ツッコミ役、常識人側になるっていう考えてみたら割と振り幅の大きい役をごく自然に、統一感をもたせて演じていた印象
・柴田を誘うシーンや女に会いに行くんだろっていじられた時、どこだったかうろ覚えだけど木暮によしよしされてる時、などなどかわいかった
・小さい頃めちゃくちゃ好きで見てたから最後にありがとうございましたって声かけられてギャー!ってなった
 
○小泉
・今回観ていて一番楽しかった人。表情が一番豊かでコミカルだった
・コミカルでありながら「こういうバカ大学生いるいる〜www」みたいなリアリティがあって大げさじゃなかった
・アクシデントへの対応力。アクシデントが起きた後のリカバリーが自然で役らしくて、場を全然止めていなかった
新撰組入りたかったな〜がアドリブ?日替わりネタ?と聞いてびっくりした。(バカな)男子大学生ならそう言うよね〜わかる!って思った
・時間の流れが変わっちゃうことをよくわかっていないところと理解した後のテンポの違い、切り替えがとても上手だった
・テンションが高くなるような場面で、声を裏返したり抑揚をつけたりしてもちゃんと聞き取れる滑舌のよさ
 
○曽我
・超かわいい
・ぐにゃーのところ、結構しつこく繰り返されるから普通ならちょっと手を抜いてしまいがちかと思ったんだけど、毎回めっっっちゃ気持ち悪そうにやっててダメージが相当だったことが伝わった
・吐き気を堪えてるところの吐きそうな表情/仕草作り、ここ今日ですか?の時の手の震えなど全身を使って演じるのがすごく上手だった
・周りにタイムトラベルのことを伝える時のもどかしさの表現がうまかった
・いかにも情けなさそうな感じのところと、沼ですねみたいなポツンと淡々としたところの使い分けが上手でメリハリがあった
早稲田祭で見た時から表情が豊かすぎてすごい役者さんだなと思っていた
・役者さんの名前をたけおだと思っていた
 
○木暮
・登場人物の中で最高値に設定されているであろう落ち着きが、立ち居振る舞いからすごくよく出ていた。頭のいい人って感じが最初の登場時にもうわかるくらい
・かといって嫌味な感じじゃなくて、お兄ちゃんっぽい感じの見守る側の頭の良さ
・他のキャラに比べたらテンションの上下が激しくないキャラだから難しそうだけど、タイムマシンに興味津々なところと論理的になっているところなど違いがよく出ていた
・汚れ役じゃない、男子キャラの中では珍しいパターンの役だけど、綺麗すぎてしまわずSF研に自然に馴染むバランス感覚
・何かで一回?ボケ側に回ったところがあったと思うんだけど、そこがすごく際立って光っていたので全体通してキャラ作りがうまかったんだと思う
 
○石松
早稲田祭でメインで歌って踊ってた時からすごいと思っていた役者さん。とてもパワフル
・前説?の時から周りを巻き込んだり観客の返答に即レスしたりと盛り上げる力が本当に強い
・防火水槽マークの持ってき方がうまかったのか表がちゃんと全然見えてなくて、柴田が出した時に爆笑を誘えていた
・声の通りがすごくよくて、バカ組でぎゃーぎゃーやってる時も聞き取りやすかった
・カバヨンの名前を嬉しそうに言っているところがかわいすぎた。そして言い方が本当にアホの子っぽくて愛おしい
・アホの子はアホの子でもあざとくないアホの子。声の使い分けがすごくうまくて、ありゃしないのところとか低めにしている場面もあったりして女性目線でも好きになるアホの子だった
・以上ですねのところが特に好き。ぎこちなさの表現文句なしにナンバーワンだった
・あたし乗れてる?とかの、声だけの演技が一番自然だった
 
○新美
・最初のガチギレ演技がめちゃくちゃ怖くて、かと思いきやヴィダルサスーンでこいつ何言ってるんだ?サイコパスか?と思ったので最初はシュールなキャラかと思っていた
・みんなの頭を嗅ぎ回るシーンの殺気
・そしてそれを落とすわかんなかった仕草、めっっちゃ小声でのごめんなさいで爆笑した
・登場人物一のバカ、ということが発覚するのが割と後半の方だったと思うけど(真っ先ギブアップとかヴィダルの犯人気づいてなかったとか)、そこまでにちょこちょこバカが入ってきて大変良かった
・特にケチャから泥リモコンを受け取るシーン。持ってきたのがリモコンだったからよーしよしよしって言ってるのかと思いかけたけどよく考えたらその時点では泥まみれの物体持ってきたとしかわかってなくて、なのにあんなに愛情込めてよしよしって言う犬バカ具合
・罰ゲームを振る時の悪い顔がいい バカだけどそういう頭は回るのか…いやバカだからか…?と思って笑ってしまった場面
 
○伊藤
・上司になってほしいキャラクターナンバーワン
・タイムマシンを撫でたり田村に根気強く昨日会ったことを確認したりする仕草や言葉の出し方に母性を感じた。死ぬほど語弊があるけど「おばちゃんっぽい」。面倒見のいい大人の女性+親しみやすさ=おばちゃんっぽさがよく出ていた
・そんなにアワアワ喋らないキャラということを差し引いても、台詞がとても聞き取りやすい
・100と0と間の微妙な心情の表現がうまかった。ラストで引っかかるところがありながらそれでもどうにか折り合いをつけて60くらいのところに着地させる、という複雑だけどポジティブな心情が表情やセリフの言い方に出ていた
・中三の夏を思い出す遠い目の表情が最高。表情豊か、コミカルというキャラではないだけにそういう無のような静かな出し方がうまかった
 
○田村
・オタク喋りのリアリティがすごかった。ほぼ最初の場面限定だがエツエフ以外の場所も若干舌ったらず感があるように感じられてとても不審な感じが出ていた
・顎を引いて睨み上げてしまうような、相手の顔の見方がガチコミュ障感あっていい
・ロッカードン(?)された時の情けない声が最高
・お手伝いしにきました!の時の勢いが、なんかもう勢いで来ちゃいました!という感じでとても良い。とりあえず行ってみます、で未来に飛んじゃうような、行き当たりばったりとまでは行かずとも考える前にやっちゃうタイプのキャラクターの性格が出ていた
 
○柴田
ポインコに似ている。
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○演出(音楽や照明含め)
・最初の(観客と甲本にとって)訳の分からない場面→オープニングアクトの流れが最高だった!!一瞬何が起きたのか分からないけど、そこからのオープニングアクトでちょっとこっち(作品の外)側に戻ってきてくれる流れになっていて安心感があった。そしてブルーハーツと毛筆の組み合わせがこれまた最高で、それを捲るのが舞台監督補佐さんというのもいい。役者さん方から舞台監督補佐さんへのウェーブ土下座?とか、ちょっとメタな感じが出ていて、メタとかパラレルみたいな視点が登場する作品の世界観とも合っていたと思う(これがミュージカル美女と野獣だったらそんなメタっぽい演出ファンタジックな世界にはいらない、とかなってたかもしれない)
・とにかくこのオープニングアクトが大好きすぎて、そんなに言うほどなんだ…と言われるほど力説していたら、振り入れをしたのはここだけというようなことを聞いた。音楽と振りが入っていたのはほぼここだけだから、ミュージカルサークルの本領を垣間見たような気がしてすごくよかったと思ったのかもしれないと思った
・タイムマシンの演出がすごい。音と光のタイミングが完璧だし、暗転は長く感じないし、煙を使っていたのもどこでタイムマシンが使われたのかがよく分かっていい仕組みだった
・衣装の色分けで大分登場人物の区別がついたのでありがたかった
 
○舞台美術・大道具小道具
・会場に入った瞬間圧倒されるクオリティの舞台だった。始まってみたら更に、窓が開閉するわ冷蔵庫やカバヨンが出てくるわ、ロッカーからはけられるわで終始びっくりしていた
・石松のガラクタの中に埋もれる我が家のお茶犬(電池切れ)とデッサン人形のジョージ
 
○宣伝媒体等
・100円であのパンフレットが手に入るのは大丈夫なんだろうかと心配するレベル。文字数が多くて読み応えがあったし、役者紹介やキャプションなど役者発信の言葉が非常に多くてキャストのファンとしては嬉しいと思う
 
○その他雑感
・いっぱい書きたいことがあったのでアンケートを書く時間はたくさんほしかった。けど、書けなかったらこういう形で残したいって思うくらいの公演だった
 
最後に、ポインコ似の妹は姉が思っているよりずっとずっと成長していた 出ても出なくてもまた観に行きたいと思うけどこれからもいろんな役で舞台に立てるといいねと思った